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2008年11月 9日 (日)

2000年巨人軍決起集会

 「レッド・クリフ PsrtⅠ」を見たのだが、この映画は一体どういう層を狙って作られているのだろうか?
 個人的には、あまりいい映画だったとは思えない。正直、見る前からダメ映画の臭いがプンプンして仕方なかった、どういう事情があったか知らないが、チラシを見て呉の武将の中でも人気が高いであろう甘寧が何故か甘興という別の名前にされていたのを知った時から。

 そもそも、この映画の最大の問題点は、曹操軍をダースベイダー率いる帝国軍のような悪の帝国として描いていることである。ハリウッド映画という分かりやすいものが好まれる作風だったのかも知れないが、曹操を単純な悪役にしては三国志の魅力の半分を喪失したといっても過言ではないだろう。PartⅠのラストで「女のために戦を仕掛けたのか」と部下に思われるシーンがあったが、「龍狼伝」の似たような場面では、荀彧が「丞相という人間を甘く見ておられます」とフォローしている。
 「蒼天航路」に代表されるように昨今の曹操像は善悪を超えたヒーローといっても過言ではないのである。だから、三国志の世界で悪役を求められた場合、最終的に勝者となった司馬懿が悪役にされてしまうのである。日本人なら、織田信長という非常に例えやすい人物がいるために受け入れやすいのかも知れないが、そうでない人間いは、曹操という人間を理解することは難しいのだろうか?

 それから、上映時間の関係があるのかも知れないが、冒頭の新野城からの撤退戦。完全な劉備軍の負け戦の描写だったが、演義では天才軍師孔明のデビュー二戦目である。わざと城内に敵を誘い込んでからの奇襲攻撃で曹仁を破っているのに、どう見ても一方的な負け戦。ちなみに、演義では、この戦いが伏線となって後に空城の計で司馬懿を撤退させることに成功してるのである。
 また、救出された阿斗を劉備が地面に叩きつけて「子供はいくらでも作ることができるが、お前(趙雲)のような優秀な部下は簡単には得られない」みたいなことを言って趙雲を感激させるシーンが完全にカットされている。21世紀の倫理観が子供を地面に叩きつけることを許さなかったのだろうか? まぁ、そんなことを言ってたら嫁を殺してその肉で劉備をもてなした男の話はどうなんだという話になるが、長坂橋の張飛の仁王立ちをカットしたのはどういう事情だろうか? ロケした場所にそれらしい地形がなかったから無視したんだろうか?

 しかし、こんな細かいことに目くじらを立てていたら、「三国志大戦」なんて見てられないはずかも知れないが、何故かアレはアレで許せてしまうから不思議である。日本の大河ドラマだって、明らかにおかしい描写だって腐るほどあるわけだし、気にする方が変なのかも知れない。

 では、冒頭の疑問に戻ると、三国志ファン以外でこの映画を見る人間はどんな人間なのだろうか?
 ハッキリ言って、最低限の三国志の知識がなければ理解できない。近所で吹き替え版しか公開されてなかったので、仕方なくそれを見たが、曹操に「漢の丞相」とテロップを入れたところで三国志ファンならそんな説明は必要ないし、何も知らない人間には「丞相とは何ぞや?」の世界である。ファンにして見れば、テロップを入れるなら脇役にもテロップを入れて欲しかったのではないだろうか? スタッフロールを見るまで楽進がいたことに気づかなかったです(元から地味の極みみたいな武将だけど)。
 とにかく、ファンには不満ばかり、そうでない人間には???だらけ、何がしたかったんだろう? それはPartⅡで描かれるであろう真っ赤に燃え上がる曹操の大船団を映像にしたかっただけではないだろうか? 仮に三国志の映像化を赤壁中心で進めるとしたら、孔明の登場から描いても問題ないように思えるのだが。

 最後にどうでもいい感想だが、自分の役の日本語吹き替えまで担当してる中村獅童はよほど暇だったんだろうなぁ…。

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